焼き嵌めは、二つの金属の部品の一方を片方に挿入して、熱を利用して大変強い接合を得る方法です。
加熱は一方の金属をもう一方より収縮させるか膨張させ、二つが機械的にホールドする圧力や締め付けを起こします。
ほとんどの応用は、外径のあるシャフトともう一方はギアとかステアリングナックル、ワッシャーなど内径のあるものです。
二つの部品の間の許容差により特徴付けられた幾つかの接合の種類があります。
焼き嵌めは、締め付けタイプの接合として使われています。
内側の穴を均一に加熱することで穴のサイズをかなり広げることができ、シャフトは簡単に拡がった穴の中に入れる事ができます。
冷却すると、穴の周りは元のサイズに縮み、摩擦力が強い接合を生みます。
高周波誘導加熱(IH)活用による利点
誘導加熱を使った加熱は、他の加熱方法に比べ多くの長所があります。
先進のソリッドステート技術による誘導加熱電源を活用した高周波誘導加熱装置は、信頼性・再現性に優れ、非接触でエネルギー効率の高い加熱が短時間で可能なため、焼き嵌めに適しています。
- 最適に設計されたコイルは、内径部分を均一に加熱し、繰り返し膨張させることができます。
- リモートヒートステーション仕様の為、加熱コイルを製造ラインに配置することができます。
このアプリケーションに適した高周波電源の出力レンジは、部品の大きさにもよりますが、1から20kWです。
焼き嵌め処理の概要
焼き嵌めのセットアップ
誘導加熱による焼き嵌めでは、加熱し膨張させる金属部品の内側にヘリカル形のコイルをおきます。
(部品の大きさにもよりますが、パンケーキ形コイルも使用されます)
最適な温度になるまでRFパワーをかけます。
温度が上がったら加熱コイルをすばやき除き、挿入するシャフトを落とし入れます。
冷却すると加熱した部品が収縮し圧力が生まれます。
必要な材料
- 金属部品
- 精度良く加工したハウジングと、同じく精度良く加工したシャフト
- アライメント治具
- (必要に応じて)
- 熱源
- すばやい昇温と精度の高い加熱が可能なAmbrellの電源が最適です。
よくある問題点
- ハウジングの内径とシャフトの外径の精度が悪く、冷却してもフィットしない
- 挿入の際、アライメントがとれていないため、シャフトが正しい位置に納まらない
- 接合面が汚れてしまう
上手な焼き嵌めのこつ
- 長い時間をかけて十分に加熱すれば、温度は均一になり十分に膨張します
- ハウジングにスムースに落とし入れるために、アライメント治具を使用します
誘導加熱のアプリケーションノート
誘導加熱による様々なアプリケーション(適用事例)の資料
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