精密、クリーンに非接触で加熱

誘導加熱は、医療機器や電子機器の製造、医療研究の分野のさまざまなアプリケーションでも使用されています。
カテーテルの先端加工や注射針の溶着、小型治具のろう付け、焼鈍(アニーリング)、金属のプラスチックへの溶着など、精密さやクリーンさ(無菌)が特に要求される医療分野には、ピンポイントの精度で小さな領域を加熱する非接触の誘導加熱が適しています。
誘導加熱(IH)による利点

先進のソリッドステート技術による誘導加熱電源を活用した高周波誘導加熱装置は、他の加熱方法に比べ多くの長所があります。
- 非接触の加熱のため、パーツを汚染しません
- 火炎を使用せず、有害な排気を出しません
- ソリッドステートの優れた再現性
- ピンポイントの精度
- 速いサイクルタイム
代表的なメディカルアプリケーション
作業内容 | 作業箇所 | 加熱温度/秒数 |
---|---|---|
カテーテルの先端加工 | テフロンチューブ | 8秒で371°C |
カテーテル | カテーテル先端加工用の型 | 3秒で205°C |
注射針の溶着 | 注射針(SUSパイプ)/ニードルハブ | 1秒で溶着 |
アニーリング | 不活性ガス中にてスチールチューブ | 30秒で1093°C |
接着 | 手術メスのプラスチックハンドル | 2秒で232°C |
ろう付け | メディカル用ヒートセンサープローブ | 60秒で705°C |
ろう付け | スチール製歯科用器具 | 3秒で705°C |
ろう付け | スチール製歯列矯正用部品 | 1秒で705°C |
焼き入れ | 手術用メス | 2秒で1093°C |
ヒートセット | 形状記憶合金(ニチノール) | 15秒で524°C |
プラスチックリフロー | カテーテルチューブ | 5秒で121°C |
焼き嵌め | スチールバンドの内側にグラファイトのリングインサート | 14秒で538°C |