精確かつ容易な制御

用途別適用事例:焼鈍(アニーリング)

焼鈍(アニーリング)とは、材料を長時間高温加熱し徐々に冷却する熱処理です。
焼鈍による熱処理は、材料の機械的特性を変えるのに支配的である微細構造の変化により特徴付けられます。
このプロセスの最終的な目的は、金属を柔らかくし延性を改善することです。
焼鈍は、特に材料の柔らかさを得るプロセスとして使われます。

焼き戻し(テンパリング)は、やはり金属を柔らかくするプロセスには違いありませんが、出来る限り柔らかくすることではありません。
硬度調整の度合いについては材料、最高到達温度、冷却にかけた時間によります。
プロセスおよび応力緩和の為の焼鈍は冷却の効果を否定するために使われます。
つまり、柔らかくし、歪み硬化した金属の延性を増すことが目的です。
内部の歪みは塑性変性プロセス、つまり機械加工や切削、 溶接や鋳造プロセスでの不均一な冷却、または相変態により引き起こされます。
ゆがみやそりは、内部のストレスが取れない場合に発生します。
焼鈍は、その部分が推奨される温度に加熱され十分長い時間保持され、そしてゆっくりと室温もで冷却された場合に、そのストレスを取り除きます。

誘導加熱(IH)の焼鈍し適用事例動画

焼鈍(アニーリング)処理

よくある問題点

最適な焼き戻し(テンパリング)の温度は、材料の性質とどの程度の硬度調整にするかにより決まります。
最適なレベルを確認するために、少量を実験することも必要です。
一度適したパラメータが決まったならば、プロセスを精度良く繰り返すことです。

加熱し冷却している間、金属の外側と内側に温度勾配が存在します。
もし、温度の変化が大き過ぎると、この温度勾配により内部にそりを起こしたり、最悪の場合クラックが入ることがあります。

上手な焼鈍、焼き戻しのこつ

  • とにかく時間が一番重要です。実際の焼鈍時間は、必要は変性が十分に現れるよう十分な時間をかけることです。
  • 表面の酸化やスケールの発生は、比較的低目の温度でやるか、または酸素を含まないアトモスフェリック誘導加熱により防げるか軽減できます。

高周波誘導加熱(IH)活用による利点

  • 非接触でエネルギー効率の高い加熱を短時間に行います
  • それぞれの材料の冶金学的な性質に左右されること無く、極めて限られた部分にばらつきの無い優れた精度での生産を提供します。
  • 温度計や温度センサーを使用した閉ループ制御は、数度以内の許容範囲で定温を保ちます。
  • 急峻な加熱が可能で、再現性の高い温度サイクルを得られます。

焼鈍のアプリケーションノート

焼鈍のアプリケーションノート(適用事例)を準備しております。
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